今日も知らない街を歩く

雑記に近い形でちまちま書いていきます。

観光業界はボランティアツアーに力を入れたほうがいいんじゃないかという話

半年近く更新しなかったくせに、何事もなかったかのようにブログを再開します。


ボランティアツアーに参加してきました

2/18,19に石巻でボランティアに参加して来ました。助けあいジャパンのボランティアツアー一覧から参加できそうなツアーを探して申し込み。
ツアーの日程は1泊2日。1日目の日中はボランティアに従事し、あとは観光というスケジュールです。ボランティアに従事したのは1日目だけでしたが、参加して良かったと思いました。同時に、東日本大震災の復興にはまだまだ時間がかかること、人手はますます必要になるであろう事も理解できました。


石巻の街並み。瓦礫はすっかり片付いているけど、傾いた電柱などまだ震災の影響は残っていました。



海岸近くの小学校。まだ海岸付近は打ち捨てられた自動車も多かったです。




今回、従事したボランティアはサンライス元気村プロジェクト。作業内容を簡単に説明すると、
仮設住宅に住む高齢の一人暮らしの人を対象にお米を届けたりして、話を聴く」。

ツアーに申し込んだ時はボランティア作業の内容が未定だったこともあり、瓦礫の撤去やヘドロの除去といったパワー系作業にに備えボランティア8点セットを揃えて準備したのですが、結局使いませんでした。ちょっと残念でしたが、あんまり体力がある方ではないので結果としては良かったのかもしれません。
実際の作業としては、対象となる高齢一人暮らしの方を新規に発見することもできて良かったです*1


フェーズが変わりつつあるボランティア活動

ボランティアのミーティング時にサンライス元気村プロジェクトのリーダーからうかがった話や、ツアーで宿泊した旅館の社長が話していたことに共通する話がありました。それは、ボランティア・被災地支援は次のフェーズに入っているということ。片付いていない瓦礫はまだあるし地域によってはまだまだというところはあるけど、ここ石巻は精神的なボランティアが必要な段階、ということです。それを聴いて思ったのが、ボランティアツアーというのは、こういったいわゆる「メンタル系ボランティア」と相性がいいんじゃないか、と。これが今回のテーマです。


メンタル系ボランティアは、主に以下の二点で瓦礫撤去などのパワー系ボランティアと異なる特徴があります。


時間が絶対に必要で、短縮はできない
例えば1tの瓦礫を除去するのに10人必要なところを20人投入すれば、単純計算でも半分の時間で片付きます。しかし、被災者の話を聴いたりなどのケアは単純に人を増やせば増やすほど時間が短縮出来るかといえば、そうでは無いです。もちろん、1000人の被災者に対しては10人よりも100人の人のほうがより多く被災者の話は聴けますが、ケアにかかる時間が1/10になるとは限りません。
ボランティアの間口が広くなる
パワー系作業は力作業のため従事するのは男性が多く、女性や子供、高齢者は参加が難しいです。しかし、こちらのメンタル系ボランティアはそういった層も参加は可能です。事実、今回のボランティア従事者には家族連れも60過ぎのおじいちゃんもいました。


ボランティア参加希望者の窓口としてのツアー

 僕がボランティアツアーはチャンスだと思うのは、特に家族連れや高齢者などを取り入れやすいからです。これからボランティアのフェーズがシフトしていくに従って、継続的な支援はますます必要になって来ます。ボランティア参加者が減っているという記事もありましたが、それに歯止めをかける一助にならないかな、と。
 あと、今回のボランティアツアーには信州大学の交換留学生(中国人)も来ていました。びっくりしましたが、単純に嬉しかったです。こうやって外国の人に被災地を訪れるきっかけを作れるというのもボランティアツアーの利点でしょう。観光業界はボランティア団体と連携してビジネスチャンスを作っていくぐらいの事は、もっと積極的にしてもいいんじゃないかと思いました。もちろん、被災地という場所は依然「特殊な場所」であるし、被災者とのトラブル時の対応など課題は少なくありませんが、それでも大打撃を受けている地元産業の活性化を初めとした震災復興には有効だと思っています。



 「被災地には一度行ったほうがいい」というのは被災地に行った人々から聞いた言葉ですが、僕もそう思います。新聞やインターネットで見た記事と実際に被災地で見た光景や被災者の話として聞くことは天と地ほどの差がありました。1日も早い復興をお祈りしています。

それでは、また。

*1:余談ですが、ロシア文学の好きな元気なおばあちゃんなのも良かったです。こういう歳のとり方をしたいと思えるようなおばあちゃんでした