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今日も知らない街を歩く

雑記に近い形でちまちま書いていきます。

クリエイティブの可能性 春合宿(7) できることを、きちんとやる

時間が開いてしまいましたが、まだ続きます。
植林ボランティアを終えた後は、再び南三陸へ向かいました。目的は、震災後、地元の復興のために活動を続けられている武田雄高さんのお話を伺うためです。

武田さんの復興活動

元々は薬剤師をされていた武田さんは、震災後、ランドクルーザーを購入し(!)、血圧や糖尿病の薬など様々な薬を届ける方面に運んでいたそうです。こう書くと(ランドクルーザーはともかく)そこまで驚く話ではないように聞こえますが、そこに至るまでの経緯は平坦なものではありませんでした。実家の薬局は瓦礫で埋まって入れなかったので、警察に事情を説明して瓦礫の撤去を頼み込んだり、ヘドロで汚れた器具などを洗浄したり、離島に薬を運ぶために田沢湖で使っている船を借りて届けたり。*1
その後医療チームが到着しましたが、地図はあっても目印が無くなっているので目的地に到着するのに時間がかかったりしていたので、同行して案内をするなどの活動をされていたそうです。そういった武田さんの働きのおかげで、災害時の医療体制で薬剤師の同伴の有効性が認められ、全国規模の体制に影響を与えている、とのことでした。*2
武田さんは、現在「地域復興支援基地 NANGO-BASE」を立ち上げ、引き続き被災地復興に向けて活動しています。

できることをきちんとやる

武田さんは「できることをひたすらやった」ということを述べていたのが印象的でした。前述したとおり、武田さんの働きのおかげで、災害時の医療体制が大きく変わろうとしています。しかし、武田さんが実際にやったのは、警察に瓦礫撤去をお願いしたり、ヘドロで汚れた器具を洗浄したりといった地味で細かい作業がほとんどでした。ランドクルーザー購入は確かに大きなアクションですが、それだけやったとしても、それ以外の地味な作業がなければここまで効果はなかったでしょう。



人間関係も同じ。できることをやる。



話を聴いている最中にいきなりそんな考えが閃いたので、僕は文字通りビクっとしました。
どうしてこんな考えが閃いたのか、全くわかりません。しかし、この考えは僕の心を大きく揺さぶりました。


「ノリ」とか「適当にやる」とか「普通にやる」とか。そういうのが会話とか組織の活動で出てくる度に憂鬱な気持ちになりました。それが具体的に何を表すのか、全然わかりませんでした。考えて考えて「自分の考えた普通」をやってこっぴどく怒られた時は頭を抱えました。こういった事がずっと尾を引きずっていて、馴染めないのはノリについていけないからだと思っていました。しまいにはそういうノリが大嫌いになっていました。
しかし、馴染めなかったのはそれだけが原因ではなかったのでしょう。それで何もできないと思いこんで、何もしなかったからです。だから、かつての組織なり所属なりに何か思いを引きずっているのだと。それが分かった瞬間、自分が(勝手に)気に病んできたことが、台風が過ぎ去っていくかのように無くなり、気持ちが晴れていきました。


「できることをきちんとやる」というのは、単純なことですが言うほど簡単な話ではありません。僕はそう思います。できないことに気を取られてできることを見失ったり、できることを過小評価して無力感に悩んだり。


武田さんたちに見送られながら、合宿メンバーはバスに乗って宿へと向かいました。車中で僕は瓦礫撤去のボランティアリーダー・金さん、今回の合宿リーダー・ゆーきさん、陸前高田の松を守る会の会長さん、先ほどお会いした武田さんの顔を思い浮かべました。色んな人が自分のできることを懸命になってやっている。
「僕は何をしたらいいんだろうな」
もう日が落ちてほとんど何も見えない真っ暗な外をぼんやり眺めながら、僕は物思いに耽りました。自分のできることを蔑ろにしてきた僕には、そんなに簡単に答を見つけることができませんでした。


バスが宿に到着しました。ボランティアなどの疲れがたまっていたのでしょう、いつの間にか寝てしまっていました。
宿の夕飯は美味しかったし、何より温泉は心身の疲れを癒してくれました。明日の朝も入るぜーと決めながら僕は満喫しました。けれどもその一方で、先ほどのもやもやはまだ自分の中で燻っていました。


入浴を終えてダイアログ(対話)の時間になりました。そこで僕は合宿メンバーの本気に触れることになります。人の本気は他の人の本気を呼び起こす。そのことが肌で実感できました。
次以降の記事に続きます。


※反応・感想が知りたいので、もし良い記事だと感じたら、はてブやRTをしていただけるとありがたく思います。

それでは、また。

*1:このへん、ノートを頼りに書いてますが、認識相違があったらごめんなさい。

*2:活動の詳細は、こちらの記事にも詳しく書かれています。