前回からの続き。
12時の会のトライアルに参加&15時からのトライアルを観戦&19時からの公開オーディションを観戦、と一日楽しませていただいたのですが、そこでポツポツと考えたことを書きます。
失敗だった初トライアル
12時のトライアル、レポートはこちらに書きましたが、最終日まで生き残り人間勝利でした。ゲーム的に良い終わり方でしたが、「舞台上で」「お客様に」観てもらうための人狼としては宜しくなかったと、今となっては思います。
他のプレイヤーに説明をするために客席に背ばかり向けてしまい他の演者さんが見えなくなる、声が聞き取りにくいなど演劇的な基本要素が☓だったこともありますが、まずかったのは「観客を意識しない」「他の演者を活かさない」の二点です。
真に相手するべきお客様は誰か?
緊張するのを避けるために、観客を意図的に見ないようにしてプレイングしたのですが、やはりよろしくありませんでした。前述の「客席に背を向ける」という行為の原因はここでしょう。お客様のことを意識して尚且つ魅せるプレイをする。これがベースとなるテーマなのだから、そこは外してはいけませんでした。
終演後、仕立屋テイラーさんとお話させていただいたのですが、「タウンさんは回してくれそうだから残した」と言われました。2日目の時点で人狼が自分1匹だけというかなり不利な状況でしたが、襲撃は自分がピンチになり過ぎず舞台を保つことができるように襲撃先を選んでいたのです。そして、負けはしたものの最終日まで戦い抜きました。自分たちがやっていることは「観客に見せる舞台を作る」ことであるときちんと理解しているから出てきた発言でしょう。
トライアルを2戦行ったのですが、その参加者から1名ずつ計2名が19時からのオーディションに選ばれ参加していました。後で参加者の方に話を聞いたところ、
「ゲームを回せるようして欲しいという理由で選ばれたのだと思う」
と話していました。事実、オーディションの会は人狼ゲーム的には少したどたどしく、トライアルからの参加者2名が議論が空回りしないように動いていました。2人とも自分の「顧客」は誰で*1、何を求めていて、そのために何をするべきか考える。これは舞台に限った話ではありませんが、トライアルに参加するにあたってこの視点を落としていたことが悔やまれます。
相手を活かすプロレスとしての人狼
準備編で書いたように、お客様にヘタなところを見せてはいけない、なんとか印象を残したいと思い役作りをしました。結果として、運良く編集者エディという人物に恵まれ自由に演技も出来ました。しかしその反面、他のメンバーが薄い印象になってしまったのではないかと考えています。特に自分は途中からは、ほぼ人間として見られており議論を回せる位置にいたのだから、一旦自分のことは置いて、グレーのメンバーにもっと主張をさせるなどして人狼TLPTのそれぞれの演者の物語を見せる必要があったのではないかと考えました。
人狼TLPTにはそれぞれの役者がそれぞれのプレイスタイルを持って動いています。動き方は全然違いますが、上手な人に共通しているのは「他の人の動きを殺さない」ということです。人狼のプレイングが上手くなるのはもちろんなのだけど、究極的には自分を活かした上で他者も活かす、そして勝つ。プロレスに通じるものがあるけど、人狼を舞台で演る醍醐味があるとしたらここなのかな、と思いました。
自分がやる普通の人狼と舞台で役者陣がやる人狼の違いはたくさんあってうまく言語化できなかったのだけど、今回ようやく自分の中で咀嚼できました。言語化できたと言っても、まだブレイクダウンできる要素もあるし、それを元にどうやって動くかということも考えなくてはいけません。でも、それはおそらくとても楽しい作業になるでしょう。自分が人狼を面白いと思える限り。
人狼のプレイングがうまくなるのはもちろんなのだけど、究極的には自分を活かして他者も活かす。プロレスに通じるものがあるけど、其れこそが人狼をやる醍醐味であると確信した。人狼は他者の魅力を発見するゲーム。
— タウンビギナー (@town_b) 2014, 10月 18
また人狼がしたいです。
*1:この場合は観客というよりは、プロデューサー・演出陣でしょう。