初めて燻製をやってから6年近く経ちますが、ずっとやりたかった燻製があります。それはスモークサーモン。
ずっと憧れていたのですが難易度が高くて手が出せませんでした。燻製をやったことがない方のために、スモークサーモンを作るのが難しい理由を説明します。
・冷燻が難しい
燻製の方法には、主に80度以上の温度で燻す「熱燻」、30度〜80度程度の温度で燻す「温燻」、30度以下の温度で燻す「冷燻」の3種類があります。スモークサーモンは冷燻によって作るのですが、この冷燻を行うのが難しいのです。
冷燻の場合であれば、主に「スモークウッド」という燻製材に熱を加えることで煙を出して燻します。
ソト(SOTO) スモークウッド こだわり派『新鮮ヒッコリー』 ST-1364
- 出版社/メーカー: ソト(SOTO)
- 発売日: 2012/04/05
- メディア: スポーツ用品
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スモークウッドの端を熱することで煙が出て、後はスモーカーの中に放り込むだけで燻せるのですが、燻している間にスモークウッドは燃え続けるわけで、つまりスモーカー内の温度が上がります。小型のスモーカーであれば熱はすぐに全体に伝わり、冷燻に必要な30度以下とても保てません。また、屋外でやると仮定して、そもそも気温が30度以上あるような夏場では温度を25度以下にすることはできないため、基本的に冷燻は冬場でしかできません。そのため、冷燻はある程度大きなスモーカーを用意し冬の屋外でやることになります。
・魚の扱いが難しい
これは個人的な経験ですが、肉であればある程度アバウトな温度管理や乾燥方法でもそれなりに美味しくできます。しかし、魚は温度管理がダイレクトに反映されたり、きちんと魚の中の水分を抜いた上で燻さないと酸っぱくなってしまったりと、扱いが難しいと感じています。鮮度の問題も肉よりシビアです。
以上2点に加えて冬のシーズンは仕事が忙しいことが多く、ずっとスモークサーモンは諦めていたのですが、これではいつまで経っても作れる日は来ないなと思いました。2月も終わることだし、まずやれるだけのことはやって、課題を洗い出しておけば今後のためにもなるだろうと思いチャレンジしました。
まずはサーモンの仕入れ。
仕入先はブラジルでは無く築地*1。幸い鮭の専門店があり相談していたら、数回目の来店で「スモークサーモンの人ですよね?」と覚えられていました。というわけで甘鮭を一尾購入。さすがに丸ごと捌くのは荷が重すぎるので、三枚におろしてもらいました。
三枚におろしてもらったサーモンは、骨抜きで骨を抜いて皮を剥ぎます。
ソミュール液を作ります。材料は、水、赤ワイン、塩、砂糖、セージ、ローレル。濃度が均等になるように混ぜた上で冷蔵庫で約一日寝かせます。
一日寝かせたサーモンを流水で塩抜きして、
風乾の代わりにピチットシートできっちり包んで冷蔵庫で約1日寝かせます。
寝かせ終わって鮭の水分がとれてきたので、いよいよ燻製開始*2。
温度は15度〜25度を保つように……したかったのですが、スモークするに従ってどうしても温度が30度前後までいってしまいました。大量の保冷剤をスモーカー内に入れたりうちわで換気をしたりしましたが、温度を下げるのは簡単ではありませんでした。結局、25度〜30度で4時間程度スモークしました。
スモーク直後のサーモン。サーモンの身が反ってしまっています。吊るし方に問題があったのか、温度が高くてこうなってしまったのか。とりあえず見た目としてはイマイチな印象。
ともあれ、ラップに包んで冷蔵庫で寝かせて実食。
美味しい!!
でもこれ、スモークサーモンじゃない!!
温度管理が上手くいかなかったのでちょっと焼いた感じに近くなってしまったのではないかと嫌な予感がしていたのですが、その通りでした。つまみとして出る薄切りのスモークサーモンと違って、歯ごたえはプリップリッのそれではなく、おにぎりに混ぜ込
にまれる感じの鮭でした。味も燻し加減も悪くなかっただけに、余計に残念でした。
おまけ。
スモークサーモンを作る時に剥がした皮と身から作った鮭飯。軽く焼いて混ぜただけなのにめっぽう美味しかったです。
鮭の頭の煮付け。圧力鍋でひたすら煮ることで骨までバリバリ食べられました。
冬ももう終わりということもあり、今シーズンはもうスモークサーモンは作れないのですが、いつかまたトライしたいものです。
【2019/01/13 追記】
リベンジトライしました。