読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

今日も知らない街を歩く

雑記に近い形でちまちま書いていきます。

【香川旅行】直島の地中美術館で味わうアートと身体感覚

  直島に行ってきた。

 f:id:TownBeginner:20160215224013j:image
  香川に人狼TLPTを見るついでに直島に行ってみよう、と日帰りで行ったのだけど素晴らしかった。こんなことなら1泊伸ばしてちゃんと滞在するんだったと後悔。
 
  色んな所に足を伸ばしたのだけど、一番最初に行った地中美術館がインパクトあったので、ひとまずこれだけでも書く。
 

身体感覚に語りかける地中美術館

benesse-artsite.jp
  館内は撮影禁止のため、どんな様子かはリンク先を参照していただくとして感想を。
 

 

ウォルター・デ・マリア室「タイム/タイムレス/ノー・タイム」
 
  室内に入ると中央の巨大な花崗岩の球体に目を奪われる。球体に近づこうとするとカツカツと自分の足音が思ったより大きく響くのに驚く。アーチ状の天井など、音が響くような設計になっているのだろうか。
  部屋の四隅にあり、球体を囲むように置かれている木製彫刻。3本で1セットになっているが、組み合わせはどれも違う。近づいてよく見ようとする度に、自分の足音が響いて部屋に行き渡るのを感じる。一つ一つの木製彫刻を見て回る度に足音が響く。一定のペースで回ると、そのリズムが中央にある球体の鼓動のようにも思えてくる。
  午前中で曇だったため、光加減についてはあまり意識が行かなかったが、その分、聴覚が研ぎ澄まされて集中できたように思う。こういうアートは視覚だけの美術と捉えていたので非常に新鮮だった。
 
 
クロード・モネ室「睡蓮」
 
  スリッパに履き替えて室内に入ると、正面には白一面の壁に取り付けられたモネの睡蓮。2m以上あり、これ以上ないくらい存在感がある。「睡蓮ー草の茂み」「睡蓮の池」など、モネの睡蓮シリーズが展示されているが、色合いのはっきりした作品は左右に配置され、中央の「睡蓮の池」は、日没を描いた暗い色。白の壁と自然光のおかげで、暗い色の色合いがよく分かる。
   床は白い大理石、スリッパを履いているため足音はしない。先ほどのウォルター・デ・マリアとは対照的に音が全く響かない。ウォルター・デ・マリア室が視覚をサブとして聴覚に語りかけるための部屋だとしたら、モネ室は聴覚を奪い視覚一本槍にするための部屋になっているのだろう。
 
 
ジェームズ・タレル室「オープン・フィールド」
  タレル室で最初に見る「アフラム、ペール・ブルー」。壁に立方体が浮かび上がっているように見える。なぜこれがアートになるのかよくわからなかったが、「光そのものの実体を我々は見ることができない、ならば光そのものをどうやったら見せられるのか」というテーマがある、という説明に納得。
  「オープン・フィールド」。階段を登り、壁の開口部に広がる青い空間に入っていくと、自分が何かに包まれているかのような感覚に襲われる。霧に包まれた感覚と水の中に入っていく感覚を同時に味わうかのように奥に進むが、奥にも青い空間が広がっているため進むという感覚も薄く、何かに包まれ身体感覚を奪われるかのような浮遊感を覚える。振り返り、開口部から漏れる光を見てようやく自分が脚を歩めたのだと理解する。
 
 
  地中美術館、ほぼ何の知識も無く行ったのだけど、身体感覚に訴えかける美術館だとは思わなかった。絵画や彫刻を見るにしても、美術館の作り一つで鑑賞方法が違ってくるのか、と。
 
安藤忠雄 仕事をつくる―私の履歴書

安藤忠雄 仕事をつくる―私の履歴書

 

  安藤忠雄の本では特にこれが良さそうだったので勢いで購入。建築は門外漢だが、安藤忠雄の思考は是非知りたいと思った。