今日も知らない街を歩く

雑記に近い形でちまちま書いていきます。

ずっと知らない街を歩いてる

 中学・高校時代はギリギリ引きこもりではありませんでした。家と学校と学校周辺の古本屋と秋葉原を行くだけの人間でした。友達がいなかったのは辛かったですが、筒井康隆は面白かったし、MSXもセガサターンも魅惑のゲームが多かったのは救いでした。僕は地元と秋葉原と学校周辺しか行ったことがありません。それ以外の街は古本屋もパソコン・ゲームがあるとは思わず、一切興味がありませんでした。

   とはいえ、秋葉原や学校周辺も限られた場所しか行ってないので、それ以外に何があるのか全く知りませんでした。

 

  大学に入りました。友達を作ろうと思いましたが何を話せばいいのかわかりませんでした。右往左往した結果、笑いをとることはできましたが友達を作ることはできませんでした。

 酒の席で何をあんなに盛り上がってるんだろう?初対面の人と何を話しているんだろう?

「あ、函館なの!?この間五稜郭行ったよ!」

「霧島、ションベン横丁燃えちゃったよ」

「明後日油そばの店あそこにオープンするんだけど行かね?」

  みんなが話しているのは、どこかの街の話でした。

 

  この時に僕はようやく自分がとても狭い世界に生きていることを自覚しました。

  高校時代に一緒の部活をやってた人物がいました。彼は見識が広く大学生活を充分に謳歌しているように見えました。その時の自分に彼の差は埋められないように見えました。

   僕は何も街のことを知らず、話に入ることができませんでした。

 

  社会人になりようやく仕事と趣味を通じて話せるようになりました。新橋・中目黒・自由が丘、少しずつ行くところが増えました。美味しいラーメン屋、TSUTAYAの場所、なんかよくわからないけどでかいオフィスビル。さっぱり興味を持てなかった「街」を少しずつ味わえるようになりました。

 

 

  ある日、ブログにコメントを書きたくなりました。ブログ主はリアルの知り合いではあるものの、本名を記入するのはためらわれ、ハンドルネームも決めてなかったので、どうしたものかと思いました。

  その人が僕だと分かりそうなハンドルネーム。その頃には「やっぱり街に詳しくないといけないんだよ!!」と酒の席で言えるくらいにはなっていました。

 

 

  僕は「TownBeginner」と名前の欄に打ち込んでコメントしました。

 

 

「タウンビギナー」とインターネットで名乗り始めてもうすぐ13年が経ちます。その間に色んな街を歩きました。人と比較すると多分乏しい気もしますが、興味のムラが結構激しい自分には、それなりに折り合いをつけられるようにはなりました。

   まだ知らない街はたくさんあります。知らない街の話を聞くのは、時に面白く、時に退屈です。

  街のことを知りたいと思ったら知る行動に移せるくらいの行動力は身につけました。ただ、面倒くさいと思ったらさっさとやめるくらいの不精さも相変わらずなので、まだ街には詳しくはないままです。

 

 

「なんでタウンビギナーって名前なんですか?」

質問箱にこんな質問が来たので答えてみました。この名前をやめる気は、今のところあまりありません。

 

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  立川シネマシティより立川の街を臨みました。まだあまり立川のことは知りません。無精さと好奇心、どちらが勝つのでしょうか。