今日も知らない街を歩く

雑記に近い形でちまちま書いていきます。

第1回つながる読書会(東京会場)

2/11(金・祝)、第一回つながる読書会に参加してきました。
僕が参加したの東京会場。ブックカフェ、そら庵さんで行われました。*1

当日の天気はなんと雪。あいにくの天気となってしまい、靴の中に水が入ってしまいちょっとテンションが下がりつつもそら庵さん到着。しかし、そら庵さんのインテリアを見て下がったテンションが元に戻りました。ブックカフェに行くのは初めてだったのですが、かなり楽しそうな場所ですね。一日中過ごしてみたい。

参加者の自己紹介・お勧め本

 大学生と社会人の交流、というコンセプトでしたが、当日の参加者11名中、学生は1人だけ。社会人から大学生へと訴求することの難しさが浮き彫りになったと思います。大学生が呼びかけないと難しいのでしょうか。今回の参加者も、社会人はtwitterやfacebbokで知ったという人がほとんどでしたが、大学生はmixiでした。mixiはまだまだ大学生に人気ですね。*2
とはいえ、業種が近くて話に花が咲いたり、おすすめの本に同意したりと会は非常に盛り上がりました。

以下、紹介された本を列挙します。

虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC)

虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC)

トップバッターの本は市川春子「虫と歌」。疲れている人におすすめ、らしいです。掲載されているのが「アフタヌーン」ということに妙に納得。


21世紀の歴史――未来の人類から見た世界

21世紀の歴史――未来の人類から見た世界

ジャック・アタリ「21世紀の歴史」。こういう思想書とかを読む時間が欲しい。金融危機のくだりは、本当なのでしょうか。


天空の舟―小説・伊尹伝〈上〉 (文春文庫)

天空の舟―小説・伊尹伝〈上〉 (文春文庫)

宮城谷昌光「天空の船」。確か実家にも宮城谷昌光の本が何冊かあった気がする。前の会社の上司が好きでした。


蝶々の纏足・風葬の教室 (新潮文庫)

蝶々の纏足・風葬の教室 (新潮文庫)

山田詠美「蝶々の纏足 風葬の教室」。紹介者が中二病にかかっていた時に読んだ本だそうです。いじめっ子を(空想で)殺すというシーンが印象的。山田詠美は女性に人気があるという印象がありますね。エピソードとか聞いて、読みたくなりました。


「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方

「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方

駒崎弘樹「社会を変えるを仕事にする」。僕も気になっていました。ITベンチャーを辞めてNPOを立ち上げた話。素直な文章、という説明に妙に納得。「行政に頼らない」という話に、公務員の方が反応していました。


奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録

奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録

木村秋則「奇跡のリンゴ」。極貧生活を続けて懸命に無農薬リンゴを作った人。僕も泣きました*3。文庫本の「リンゴが教えてくれた事」もオススメなので、一緒に載せておきます。


マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則

マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則

ドラッカー「マネジメント」。「もしドラ」じゃない方。顧客の定義は重要という説明に納得。


残念な努力

残念な努力

美崎栄一郎「残念な努力」。身の回りにある、著者目線の話。推薦者曰く「問題を発見するためのヒント。本当に残念なのか検証してみると面白い。」ちなみに「残念な人の思考法」とは別の著者*4


夜のピクニック (新潮文庫)

夜のピクニック (新潮文庫)

恩田陸夜のピクニック」。今回参加の大学生、えびせんさんの紹介。何も事件が起こらないけど、何もなくても幸せになれる。そんな本。恩田陸の他の作品とは毛色が違う?


もうすぐ絶滅するという紙の書物について

もうすぐ絶滅するという紙の書物について

ウンベルト・エーコ「もうすぐ絶滅するという紙の書物について」。何と言っても装丁のインパクト。ページの腹(?)が青というのがすごい。内容もカリエールとの対談集でメチャメチャ面白そう。ただ、電子書籍についての言及はあんまりないらしい。


陳建民「さすらいの麻婆豆腐」。著書の自伝。これは面白そう。推薦者は「コックは見るのが仕事。ある程度わかっている人なら見れば分かる」に感銘。「ある程度わからせる」までは責任はあるかもしれけないけど、それ以降は自分でガンガンやるべきというのは同意。


夜と霧――ドイツ強制収容所の体験記録

夜と霧――ドイツ強制収容所の体験記録

フランクル夜と霧」。新訳と旧訳両方持ってきました。収容所のユダヤ人の話。写真が強烈で読めなくなった本。写真がある旧訳を推薦。


国家に抗する社会―政治人類学研究 (叢書 言語の政治)

国家に抗する社会―政治人類学研究 (叢書 言語の政治)

ピエール・クラストル「国家に抗する社会」。人類の知識は西洋文化では図り知りえない事を説く。


どれも興味深い本で、twitterで実況しているときも「私もこれ好きです」というリプライがありました。僕のベスト3は、「蝶々の纏足 風葬の教室」「社会を変えるを仕事にする」「もうすぐ絶滅するという紙の書物について」。読む時間どうやって作ろう。

僕のおすすめ書籍

そんな僕が当日薦めた本は以下二冊。

〈増補改訂 第2版〉いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法

〈増補改訂 第2版〉いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法

デビット・D・バーンズ「いやな気分よ、さようなら」。平たく言えば、うつ病治療の方法である認知行動療法について詳細に書かれている一冊です。ここ五年間で一番読んだ本です*5
認知行動療法については、ある出来事が人をうつにするのではなく、ある出来事に対する歪んだ考え方が人をうつにする、だから考え方を変えることで治療をしていくという療法です。詳細はこの辺がわかりやすいかなと思います。
「心のフィルター」「全か無か思考」などの、うつを引き起こす認知の歪みとその認知の歪みへの向き合い方は、どのように反論するかという説明も丁寧で非常に良かったです。「腕にカウンターをつける」などのシンプルな実践方法もあり、実際、気分が優れない時に実践することで対処ができました。
分厚い本ですが、実際に読み始めてみると平易な言葉で書かれており、一気に読めました。 認知行動療法が「治療」だけでなく「予防」も可能にする事がよくわかります。
是非一読を。
ちなみに、この考え方を基に、日記をつけられるメンタフ・ダイアリーというサイトもあります。こちらもお勧めです。


逆境ナイン (1) (サンデーGXコミックス)

逆境ナイン (1) (サンデーGXコミックス)

島本和彦逆境ナイン」。真面目な話が続いていたので、バカらしい(褒め言葉)展開のこれを薦めました。
なんと言っても、最終回112対3からの追い上げは伝説に残る展開です*6。ここの
無理が通れば道理は引っ込む
「まぐれが10回続いたとき、人はそれをまぐれではなく実力と呼ぶ」
最後の1点は完全に実力できさまを打ちのめした1打になるだろう!!
というくだりが大好きです。100点以上つけられているのに堂々とこういうことを言える人になりたいです。


それぞれの本を紹介後、感想を述べてお開きとなりました。プレゼン大会みたいな感じになりましたが、思ったより「読みたい!」という本が出てきました。またこういう機会があったら参加したいですね。一つの本を読んで感想を話し合うのももちろん良いのですが。

*1:ProjectMeshの公式ページにもレポートが書かれていますので、併せてどうぞ。

*2:感覚的な話になってしまいますが、多少クローズドな性質をもつmixiの方がコミュニティの形成しやすいと思っています、社会人と違い、まだはっきりとした属性を持たない大学生にはmixiの方が有効なのかな。

*3:娘の作文で「お父さんはリンゴを作っています。でも、私はお父さんのリンゴを食べたことがありません。」というくだりがもうダメです。

*4:こちらは山崎将志。「残念な人の思考法」にリンクを貼っていない理由は、ご賢察の通り。

*5:この本が無かったらと思うとぞっとします。

*6:漫画のタイトルからもわかるとおり、野球漫画です。野球で109点差って。