人狼 The Live Playing Partyに当選しました。
一年前は仕事の都合がつかずに参加できなかったので、やっと出られる!と喜びもひとしおです。しかしそこでふと我に帰りました。
人狼は何回もプレイしているけど、いわゆる観客を意識したプレイって、できるのか? あの舞台に立ったとして、そこに自分が普通に立って、絵になるのか?そこら辺にいるおっさんが佇んでいるだけになるんじゃないのか?そもそも俺、アドリブ得意じゃないし、舞台上でやりとり本当に出来るのか? 考えれば考えるほど不安になってきました。しかし、申し込んで当選した以上、やり切るしかありません。そのためにできることは、当日までに可能な限り行うべき。というわけで、当日に備えてできることを洗い出してやることにしました。
文豪タウンの作り方
まずはキャラクターの設定を考えます。
人狼TLPTを見たことの無い方のために説明すると、村に住む13人の登場人物の中に紛れ込んだ3匹の人狼を倒す、という設定で物語が進んでいきます。オープニングで各登場人物がそれぞれ自己紹介をしてから、人狼を探すための議論を始めます。オープニングの自己紹介では、
「妻のデイジーと洋菓子屋をやっている」
「私は喋っていない人を積極的に疑う」
と、他の登場人物との関係性やプレイスタイルを表明したり、時には
「今年100歳になった」
「背中に剣が刺さってて抜けないから助けて」
「私は未来から来ました」
などなど、いわゆる「ぶっこみ」と呼ばれる突き抜けた設定を表明したりします。
自己紹介で話す内容は、主に自分の職業と人狼を倒すための意気込みを話すことが多いため、まずは職業を決めます。職業は、一つしか考えられませんでした。「文豪」です。今年の夏に浴衣を着る機会があったのですが、その姿が「なんか文豪っぽい」と言われたから。理由はそれだけです。幸いなことに、少し前に行ってきた着物大市で秋冬用の和服を衝動買いしたので、服はなんとかなりそうです。あの時衝動買いしておいて良かったと心から思いました。
文豪タウン。このキャラクターを作りこむ必要があります。
まずは体型。代表的な文豪といえば、芥川龍之介や夏目漱石、森鷗外。
いずれの文豪もほっそりとした痩せ型です。
何で弁慶ラーメン食っちゃったんだろ……orz
味噌バターって、バターの分余計カロリー取ってるし。美味しかったけど。
弁慶ラーメンを食べたこと悔いながら自分の顔を鏡で確認しました。一時期よりも心なしかぷっくりしているように見えました。錯覚であってほしいと思いましたが、そんな都合のいいことはまず無いでしょう。そういうわけで、これ以上余計な肉が付かないよう、運動と食事に気をつけることにしました。しばらく蕎麦メインの生活にしながら、走れば多少は痩せるかなと淡い期待を抱きながら走りました。
次にモデルとなる文豪を探します。誰か選ばなければいけないというわけでは無いのですが、特定のモデルがいたほうがキャラクターを構築しやすいのではないかと思い、探してみました。すると、うってつけと思われる人物が。「耳なし芳一」「ろくろ首」をはじめとした怪談話でお馴染み、小泉八雲です。人狼という怪物がいると聞いて村にやってきた、と言えば導入としては自然でしょう。
本を読み、小泉八雲がどんな人物か自分なりに把握して、セリフを考えていきました。アドリブ劇のためセリフを用意してもそのまま使うことはほとんどないだろうと思いましたが、そのシチュエーションが来た時に肝心のセリフが出てこないのは、絶対に避けなければなりません。
自分が処刑される時、知っている人間が死んだ時、パワープレイをする時&受けた時、人狼エンディング、人間エンディング。セリフをEvernoteに書いて反復しました。
衣装を整え、セリフを考え、他にできることはなんだろう。
文豪は当然、物語を書くことで生計を立てています。であれば、実際に物語を書けばよりキャラクターを作りこむことができるかもしれません。
原稿を書くことにしました。
伊東屋で原稿用紙と封筒を20年ぶりぐらいに買いました。慣れない万年筆で書いたので原稿用紙が汚れたけど、文豪の原稿はたいていそういうもの、と勝手に決めつけて書き続けました。*1原稿を書き、封筒に入れて準備は完了です。
なんとか形になった気がしました。しかしよく考えてみたら、別に医師役の人は事前に手術をしないし、原稿を書いたところで役作りにはあまり関係も無いことに気付いたのは、舞台に上がってからでした。
人狼TLPP参加迷走記・本番編に続く。