ずっと気になっていたので、運動不足の解消も兼ねて、いつもよく行く街が今どうなっているのか、自転車で一通り見てみた。
12時少し前の秋葉原。歩行者天国はやっておらず、人もまばら。こんな昼間に人がいない秋葉原、見たことがない。
ちょっと予想していたけど、絵を売ろうとしてギャラリーに引き込む、いわゆる「エウリアン」は残っていた。街が荒廃しつつあると感じた。
九州じゃんがらラーメンは当面の間休業。思い起こせば、中学の頃から通っていたので、都合30年近く食べ続けていることになる。辛い中学時代の時からずっと通っていて、僕にとっては、もはやただのラーメン屋ではなくセーフスペースに近かった。20歳の誕生日、誰からも祝ってもらえなかったので、慣れないビールを1人で飲みながら、明太子に角肉・カピタン入とトッピングを豪勢にしたじゃんがらラーメンを食べた事を、今でもよく覚えている。秋葉原の心象風景の一つとして、ずっと覚えていることになると思う。
神保町へ向かう。三省堂書店は休業、やはり人が全然いなく、ジョギングしてる人をたまに見かける程度。
行きつけのボードゲームカフェ「アソビCafe」。Twitterの告知の通り、5月6日まで営業停止。5月7日以降、本当に営業が再開できるのか、本当に気がかりである。
神保町の書店のいくつかは営業していて、店内にも、まあまあ人が居た。ソーシャルディスタンスを保てているかどうか、ちょっと怪しかった。でも、ほとんどの店が休業してる中で一部の店舗が営業している様は、潜水中に息が持たず、やむを得ず水面に上がって必死で息を吸っている様にも見えて、営業していることを責める気には全くなれない。
上野。松坂屋も営業しておらず、人は閑散としている。秋葉原・神保町と同様、行きつけの店は大体休業していた。
人が居ない街を見るのは、最初は珍しさが勝ってて面白がっていたのだけど、次第に気持ちが沈んでいった。
最悪の場合、街が死ぬ。
その事実は想像以上に心に負担をかけていたらしい。
とんかつ山家のロースカツ。
行きつけの店が軒並み休業している中、営業していることを発見し入店した。入り口付近のアルコールスプレーで手を消毒し、ロースカツ定食を注文。幸か不幸か、お客さんはそれほど入っておらず、近い距離を気にする必要は無かった。
マスクをした板前から皿を受け取り、ありがたく食べる。
揚げ物の技術が無いことや油の処理の手間を面倒くさがっているので、家で揚げ物をする機会はまずない。こういった、家ではできない料理を外食で食べられるというのは、本当に幸せなことだと心に留めた。料理は素材だけでなく、技術や手間、器具、空間といった、あらゆるものの結晶である。
願わくば、自分が作れない料理を味わえる日が続きますように。