今日も知らない街を歩く

雑記に近い形でちまちま書いていきます。

遊び友達が不倫してるのを知ったらどう思うか想像してみる

  質問箱に「遊び友達が不倫してるのを知ったらどう思いますか 」という質問が来ました。多分公式の質問ではなく、誰かが僕の質問箱に質問してきたようです。

 

 

  性愛に非常に縁遠い人生を送っているので、不倫の話は当然一度も聞いたことがありません。以前に質問箱でも答えた通り、不倫の話はハリーポッターと同じレベルのファンタジックな話です。

  その上で、もしも「遊び友達が不倫しているのを知ったらどう思うか」というのは思考実験として面白そうなので、試しに考えてみました。大前提として、その遊び友達自身が「不倫をしている」という事実を認識している場合に絞って考えてます(つまり、自分が未婚で、付き合っている相手が既婚者であることを知らないパターンは除きます)。

 

  まず、その遊び友達本人が既婚か未婚かによって、感想は異なります。

 

パターン1:遊び友達が未婚の場合

  この場合、付き合っている相手は既婚者になります。「ああ、恋愛というのは人の道を外すくらいのパワーをもつのだなあ」と思うでしょうね。非常に凡庸な感想だと我ながら思いますが、それ以外にあまり抱くことは無いかな、と。

 

パターン2:遊び友達が既婚の場合

  一方こちらは、言葉を選ばずに書くと「あまり人のことを大事にしない人なのだな」という感想を抱くでしょう。というのは、この手の不倫話で「遊び友達と遊び友達の配偶者という、当人同士の話」と言われることがあるけど、本当にそうなのだろうかと疑念を抱いているからです。たしかに不倫がバレてその後の二人の関係をどうするのかは当人同士の話でしょう。しかし、その前段階の「結婚をしているのだから不貞はしない」という約束を破る(かつ、そのことを隠す)行為は、「自分の利益のためなら、約束を反故にしても構わない」という思考が透けて見えます。  もし「そうはいっても、好きになってしまったものは仕方ないじゃないか」と反論するのであれば、「好きになって結婚した」相手の方を精算してから始めるのが筋です。
  「不倫をする」ということは、「約束を交わした自分に近い他人をどう扱うか」という態度の表明にしか見えません。そう考えると、自分とその遊び仲間の人付き合いにも、慎重にならざるを得ません。自分とその遊び仲間が何かをしようとした時、自分の知らない、不利益になりそうな何かをコントロールされている、操られている感が拭えないからです。

 

  もちろんこの話はパターン1の未婚で不倫をしている場合も広い意味で当てはまります。不倫相手の奥さんまたは旦那さんに対して、不倫相手に同じことをさせているからです。ただ、もし不倫相手の配偶者が顔も知らない人であった場合、不倫相手からの情報がすべてになるので、その人の痛みや怒り・悲しみ想像することは難しいでしょう。場合によっては不倫相手の配偶者に対する義憤すら覚えているかもしれません。

 

  実際には、不倫相手の属性(既婚者か未婚者か)、不倫相手を自分も知っているかどうかによって、感想がさらに複雑になるかもしれません。ただ、感想のベースとしてはこの2つになります。

 

「不倫はやめとけ」と声をかけるかどうか問題

  ところで、不倫している友だちに向かって「不倫はやめなよ」と声をかけるかどうか、という話を見ます。多分、僕自身はその遊び友達には言いません。なぜなら、僕が「不倫はやめなよ」と言ったところで、当人達に届くとは到底思えないからです。

  大前提として、不倫を止められるのは親子や親族、親友レベルでしかできない話であると僕は捉えています。「不倫をする」ということは、それぐらいの重い話です。「倫」という字は、「人の守るべき筋道、仲間」の意味を表しており、それを「不」にする行為は、人の守るべき筋道や仲間を切る行為です。そういった行為を、自覚して行っているのであれば、(「遊び友達」の距離や種類は様々ですが)外側にいる人間にはどうしようもありません。身内レベルでないと解決できない話です。僕が数々の修羅場をくぐり抜けた恋愛マスターであれば、もしかしたら話を聞いてくれるかもしれませんが、前述の通り、僕の人生は性愛から縁遠いです。説得力という意味でも届くとは思えません。

 

  そう考えると、「不倫をしている」という話を聞かされた時点で、もう負け戦なのかもしれません。不倫が原因で友達の縁を切るというネット記事を以前に読みましたが、「江戸時代、火事が広がったらもう水かけても止められないから、仕方なく隣近所を壊して火事を止めていた」という話を思い出しました。言葉の水はもう届かないのかな、と暗い気持ちになります。

 


  質問自体は「どう思うか」という質問だったので、これで質問の回答にはなっているはずです。その上で、どうして僕にこれを聞いたのだろうということを少し想像してみます。僕にわざわざこういう質問をするということは、質問者さん自身に、質問に近いことが起こっているのでしょう。ぱっと考えつくのは以下の二点です。

  1. 質問者さんの遊び友達が不倫してるのを知ってしまった
  2. 僕の遊び友達が不倫しているという事実を知ってしまった

  1.ならば、お察しします。「不倫しているやつかよ、さっさと縁切ろ」と思うには近過ぎたり、「好きな人だから切りたくない」「不倫を止めさせたいけどどうしたらいいかわからない」という葛藤を抱えているのかもしれません。ただ、前述の通り、基本的にはどうしようもないと思います。もし止めたいのであれば、不倫相手の落ち度について興信所を使ってでも徹底的に調べ上げる、遊び友達の親兄弟を巻き込むことも視野に入れる必要があるからです。そこまでやれる覚悟があるのであれば、やっていいと思います。

 

 2.の場合、僕の「遊び友達」と書くくらいですから、この遊び友達は質問者さんと共通の知り合いの可能性が高いです。その上で僕に聞いてくるのはどのような意図なのでしょうか。

  もし「どうしよう」という意味で質問されたのであれば、答えは1.と同じです。

  もし「コイツをとっちめてえんだけど」という意味であれば、わざわざ僕に聞くまでもありません。僕にタレこむくらいの証拠を持っているのであれば、配偶者にバラすなど相応の行動を取ることはできるでしょう。遊び友達も少なからずダメージを受けるであろうことは胸が痛いですが、不倫をしているのであれば喰らっても仕方のない然るべきダメージなので、同情はしません。

  ただしこの場合、なぜ「コイツをとっちめてえんだけど」と質問者さんが思ったのでしょうか。それが気になります。とっちめる前に、とっちめたい理由をきちんと確認しておきましょう。もしそれが逆恨みや誤解に起因していたら、取り返しのつかないことになります。最悪の場合、さらなる逆恨みを呼び、質問者さん自身にも危害が及びかねません。

 とっちめるときは、法律的な話だけではなく、自分自身の心の持ちようも含めてきちんと準備をしてから、です。



  それにしても、この手の「普段接触している人間が実はなんらかの後ろ暗い秘密を抱えていたことを知ってしまったらどうするか」というテーマは、空想上の話として考えるにはなかなか面白いテーマですね。自分の倫理観や他人に対する距離感、スタンスの表明の仕方、さまざまなことがクリアになります(かつ、何がクリアになっていないかもセットでわかります)。もしなんの準備もせずに聞かされたら軽いパニックを起こしてしまうかもしれません。こういったifを、空想上の話として予防的に考えておくのは悪くありませんね。

 

昼顔

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  • 発売日: 2017/12/20
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