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今日も知らない街を歩く

雑記に近い形でちまちま書いていきます。

青い日記帳×山種美術館 ブロガー内覧会 -江戸画家への視線 岩佐又兵衛から江戸琳派へ-

  山種美術館がブロガー向け内覧会をやると聞いたので、行ってみました。

 

青い日記帳×山種美術館 ブロガー内覧会 「【開館50周年記念特別展】山種コレクション名品選Ⅰ 江戸絵画への視線 ―岩佐又兵衛から江戸琳派へ―」(@山種美術館)を リアルタイムでレポートしよう! - 山種美術館

 

  本イベントは美術系ブロガーの大御所、Takさんとのコラボ企画。Takさんのツイートを読んでてどんな方か気になっていたこともあり、申し込みました。

 

   本イベントで一番ありがたかったのは、写真撮影がOKである点です。通常の美術館は写真撮影禁止ですが、本イベントは内覧会のため、展示物の撮影OK。美術館に行ったこと、そのことをブログに書くようになったのは最近のことですが、いつも作品を文章だけで伝えなければならないことに、もどかしさを感じていました。絵画や写真を引用することは可能ですが、微妙に雰囲気が違っていたりで、上手くいかないなあと感じることも少なくありません。

   というわけで、実際に現地で撮影した写真を交えながら書いていきます。

 

日本画専門の山種美術館

  山種美術館は、日本画専門の美術館です。本イベントで当美術館の存在を初めて知ったのですが、館長の山崎さんによる美術館エピソードが面白く、興味がわきました。

   山種美術館は、株式会社ヤマタネの創業者、山崎種二氏によって創設されました。氏は酒井抱一の絵画を買いたいと夢見て事業に励みます。結果、米相場の成功で酒井抱一の絵画を購入するのですが、これが贋作。ショックを受けた氏は

「同時代の人間の絵画なら贋作を掴まされることはないだろう」

と、現代美術にシフトしていきます。

  こうして種二氏は、近現代の絵画を中心にコレクションをしていきますが、それでも江戸絵画への望みは捨てきれなかったらしく、結果として現在のコレクションができあがりました。

  このエピソード、贋作を掴まされた後に「同時代の人間なら」とシフトして支援するくだりが好きです。山種美術館には横山大観や奥村土牛など現代の作品も少なくありません。これらの作品・作家が残っているのは、種二氏のこの同時代の人間の支援する姿勢に因るものでしょう。

  今回は江戸時代が中心の展覧会でしたが、機会があれば現代のコレクションも鑑賞に行きたいです。

 

作品紹介

  学芸員の三戸さんによる解説を聞きながら作品を鑑賞していきます。解説はかなり深いところまで解説してくれました。それだけに、絵画・日本画の基礎知識が無かったのが悔やまれました。もう一回聞けばもっと理解できるのに、と思いながら絵画を見ていきました。

  以下、印象的だった絵画を中心に紹介しまます。 

 

 伊藤若冲「伏見人形図」

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  先日の若冲展が大人気だった伊藤若冲の作品です。

  若冲展ではよく見た作品とは作風が違っており、驚きました。こういった柔らかいイメージの絵も描いていたとは。現代で言うところの田中圭一先生だったりするんだろうか、とちょっと思いました。

  描くに当たって、顔料などを工夫しているという話がありました。描き方ではなくアイテムで工夫するというアプローチも、若冲の独自性がよく現れているエピソードでした。

 

 作者不詳「源平合戦図」

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f:id:TownBeginner:20160703212912j:image 源平合戦が描かれている屏風。何故これを取り上げたかというと、屏風に源平合戦がストーリーとして描かれているという話が個人的に印象深かったからです。屏風には一枚絵が描かれるものと思っていたのですが、この屏風には一ノ谷の合戦や屋島の那須与一、最後の壇ノ浦の戦いまで、右から左へと描かれています。

 三戸さんに質問したところ、屏風にストーリーが描かれるのは珍しい話ではなく、例えば源氏物語なども屏風に描かれ*1、嫁入りのときに送られていたりすることもあった。とのことでした。

 

  山本梅逸「白衣観音図」 と  長沢芦説「唐子遊び図」

   この2つは並べて紹介します。まずは白衣観音図。

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  今回の展示作品はカラフルな作品が多かったのですが、その中で白黒のみで構成されている数少ない作品でした。水墨画は色合いから儚さをイメージすることが多いのですが、この観音図は、特に顔と胸が柔らかい感じが出ていて、後光のイメージと相俟って観音のもつ優しさがよく現れていると感じました。

 

 そのカラフルな作品の中で特に印象的だったのが、「唐子遊び図」。

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 西洋の影響を受けた円山四条派の作品です。

 前述の白衣観音図とはうって変わって数々のカラフルな服、子供たちのイキイキとした動作が良く描かれています。特に絵の上部では子供の顔がつねられていたりと見てて飽きません。

 静と動というべき対象的な二作品ですが、それにも関わらず、どちらも「日本画」と言われたら納得できてしまうのはなんだか不思議でした。根底に流れているのは何なのだろう。

 

 

 山種美術館のススメ

日本絵画を鑑賞した経験は全く無かったのですが、学芸員の三戸さんの解説もあり、大変楽しめました。見応えのある作品も多く、(今回は時間制限があったこともあり、)もう一度時間をつけていきたいなと感じました。

 山種美術館の -江戸画家への視線 岩佐又兵衛から江戸琳派へ- は、 8/21(日)までなのでぜひどうぞ。ちなみに次回は 浮世絵の展覧会のようで、こちらも楽しみです。

 

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 絵画を鑑賞した後は、和菓子「波と鶴」を抹茶と一緒にいただきました。美味しゅうございました。

*1:試しに検索してみたら、確かに屏風として描かれていました