10代の頃は、「自分が好きなもの・ことは、他の人は興味がない」と思っていた。別に意図していないのに、自分の好きなゲーム、音楽、賛同している人が見つけられなかった。
そうして僕は、誰かに何かを熱く語るという情熱を失い、発想をしなくなった。
年を取り、世界を歩き、どうやら自分が好きなもの・ことを、他にも好きな人がいるらしいことがわかった。しかし情熱と発想を失った僕は、何かを語る方法をすっかり忘れてしまっていた。
何をどうやって話せばいいんだろう。
僕はただ黙っていた。
何かを語ることができなくなって長い時間が経った。しかし気付いたことがある。何かを「する」ことはできる。だったら、何かをするしかない。
僕は「何か」をした。何かを伝えること・語ることが上手くできているとは思えなかったけど、それでも何かを伝えることできた気がした。
「カルドセプトリボルト」が発売された。
途中、空白期間はあるものの、初代セガサターンからずっと一人でやっていたゲームだった。ただひたすら一人でカードを集めていた。カルドセプトは一人でやるゲームだった。
カルドセプトをやって、20年が経って、年をとって、他人と一応話はできるくらいのコミュニケーションスキルを身につけることができた。
もし、当時そういう環境に恵まれていたらどんなに楽しかっただろう。
20年目のカルドセプトは、多少の過去に対する悔根を抱えつつも、目の前に広がる恵まれた環境で、たっぷり遊ぼうと思った。
カルドセプトナイトはそんなイベントだった。
ありがとうございました。
こうして僕は、酒を飲みながらゲームをする大人になった。
酒飲みながらゲームをするのは、メチャメチャ面白いと思った。