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今日も知らない街を歩く

雑記に近い形でちまちま書いていきます。

国立西洋美術館・カラヴァッジョ展へ足を運ぶ

  今週末でカラヴァッジョ展が終了するというので、慌てて見に行きました。

 

www.nmwa.go.jp

 

 結論から言うと、行ってよかったです。美術に関しては門外漢でしかない自分が楽しめたのだから、おそらくほとんどの方にお勧めして差し支えないんじゃないかと思います。

 何か書こうかと思ったんですが、とにかくこちらのブログが的確なので、まずはこちらをご覧になるのが一番だと思います。 

blog.imalive7799.com

 

以下、個人的な感想です。

 

 野菜としてトマトが無かったのはなんで?

 カラヴァッジョ展では「静物」というテーマで、野菜・果物と人物を描いている画が展示されているのですが、よく見たらトマトがありませんでした。先日トニオ・トラサルディーが「トマトを世界で最初に料理したのはイタリア人」と言っていたし、トマトはアンデス原産だけどルネサンス期は大航海時代の後だから、カラヴァッジョの生きた時代には、イタリアにトマトが伝わっていてもおかしくないはず。

 というわけでちょっと調べてみたら、どうやらトマトが食用として食べられるようになったのは意外と最近だったようです。

www.tomato-school.com

 スペイン人が、16世紀に南アメリカに到達して、唐辛子、とうもろこし、ジャガイモ、その他の色んな植物の種をヨーロッパに持ち帰りましたが、トマトも同じようにヨーロッパに伝えられました。当時、トマトは有毒であるベラドンナに似ていたため、毒であると信じる人も多く最初は観賞用とされていました。しかし、イタリアの貧困層で食用にしようと考える人が現れ、200年にも及ぶ開発を経て現在に至ります。一般的に食用となったのは18世紀のことです。イタリア、ポルトガル、スペインの地中海地域で好まれるようになっていきました。最初は揚げ物調理されたいましたが、フランスや南イタリアでトマトソースが作られるようになり、今では赤色の調味料には欠かせない存在となっています。18世紀末にイタリアでは多彩なトマト料理がすでに生まれ、パスタや肉のトマト煮込みとして重宝されています。そして、北アメリカではその後もしばらくは食用としては認知されていませんでした。

 

 海を渡って来るような希少性のある植物だから。富裕層から食用として食べ始めたと予想していたのですが、実際は逆でした。勉強になりました。

 

カラヴァジェスキの質が高い

  本展示22点のうち、カラヴァッジョ本人の作品は11作品、残りの11作品はカラヴァッジョの影響を受けた「カラヴァジェスキ」による作品です。「カラヴァジェスキ」とは、カラヴァッジョの画法を模倣し継承した同時代及び次世代の画家たちの総称で、彼らの多くはカラヴァッジョ本人を直接知ることなく、その画法を学び新たに発展させました。

 例えば、展示の「第5章 光」では、カラヴァッジョ本人は光をスポットライトのように使うという画法を編み出していましたが、常に絵の上部から当たっている画法で、光の源は描いていませんでした。これに対して、カラヴァジェスキであるヘリット・ファン・ホントホルストの「キリストの生誕」では、赤子のキリストが光の源となっており、生誕の喜びをよりはっきりとした形で描いていました。また、ジョルジュ・ド・ラ・トゥール「煙草を吸う男」でも煙草の火が光源として描かれており、洗練された形となっていました。個人的には、カラヴァッジョ本人よりも良いと感じる作品も少なくなく、カラヴァジェスキはただのカラヴァッジョのフォロアーにとどまらない、と感じました。

 

法悦のマグダラのマリア

 日本どころか世界初公開だそうです。びっくりしました。

caravaggio.jp

 カラヴァッジョが不慮の死をとげた時に保持していた作品で、専門家の間ではカラヴァッジョ本人の手による作品でほぼ間違いない、とのことです。実際に見てみると、素人目にも法悦の表情は、とても繊細で非常に描くのが難しいのだなとわかります。また、マリアのはだけた姿、上部からの光など、これまで見たカラヴァッジョの作品のエッセンスが詰まった作品でもあるように見えました。

 

 個人的に、ルネサンス期の絵画は光の扱い方が変わるという印象があり、わかりやすいので見てて好きだなと感想を抱きました。と同時に、キリストや聖書が下敷きになっている作品が多く(キリストだけでなく聖パウロとかもたくさん出てくる)、ちゃんとテーマを読み取るためには聖書の理解も必要になりそうです。ぼんやり見て自分なりの感想を抱くのもよいのですが、せっかくだからもう少し深く理解したいものです。

 

鑑賞のための西洋美術史入門 (リトルキュレーターシリーズ)

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 これ、読みやすくておすすめです。 

 

絵画で読む聖書 (新潮文庫)

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 帰りに上野ABABの1Fでクレープを食べました。ずっと気になってみていたものの、一度も食べたことなかったので、物は試しと、食べながら街を歩きました。

 クレープを食べながら上野を練り歩く中年男性はさすがに自分以外いないだろうとは思いましたが、まあそれは置いといて。