今日も知らない街を歩く

雑記に近い形でちまちま書いていきます。

神楽坂を歩いて読んで心の澱をかき混ぜる

  何か心に澱のようなものが溜まっていて、堪えられないほどではないけど上手く言語化できなくて、心が寂しくて居心地が悪くなってた。運動をしたらスッキリした気分になるだろうな、とは思ったけど、また溜まった澱が悪さをするだろうな、と思ったこと、前日に神楽坂の話をしていたので、久々に龍朋の炒飯を食べて神楽坂をぶらぶら歩こう、と決めた。何かつまめるものがあったら、それでビールを飲むのもいいな、と思いながら神楽坂へ向った。

 

  あ、先に言っておこう。

  ただ神楽坂を歩いて本を読んだだけの話がダラダラ続くだけです。

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 予定通り龍朋の炒飯。

 ご飯の他には卵、チャーシュー、ネギだけのシンプルな具材だけど、ラードのコクが良くて一気に食べてしまう。ビールを頼もうと思ったけど、店外に並んでる人もいるし長居はするもんじゃないなと思い取り止め。客層は思った以上に家族連れが多かった。地元の人が来てるんだろうな。確かにラーメンや炒飯が1000円以下の中華料理屋は家族連れだと助かる。子供の頃に中華料理屋連れて行かれたのを思い出した。

  客層の7割はラーメンを食べていたけど、炒飯が美味しいのだから回鍋肉とかの炒め物も美味しいはず。今度は回鍋肉を食べようと決めて店を出る。

 

  次はどこへ行こうか、なんだかブックカフェとか多いな、龍朋にも「読書会」とか置いてあった、と思いながら歩いてたら謎が解けた。

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 神楽坂、新潮社があるのか!

 考えてみたら、飯田橋の界隈は、護国寺に講談社があったりと出版社が割りと多い区域だ。なるほど。なんだかスッキリした気持ちになった。

 

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  もう龍朋で昼ご飯は済ませたからまた今度。しかし前菜が主役とか、おしゃれな店構えなのに「牛カルビ焼肉丼」とか豪快なメニューが載ってたりと、面白そうな店が多い。

 

  歩いて赤城神社に到着。

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(QRコード……???)

  愛宕神社ではお賽銭がEdyで払える、と言うのは聞いたことがあるけど、こうやって目の前にITが出てくると面喰らってしまった。美術館のような観光スポットと捉えれば全然不自然では無いはずなのに、神社や寺はまだそういう捉え方が自分の中でできてないんだと思った。今後、こういう場所が増えてくれば慣れてくると思うけど。

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  妙に映画やドラマのヒット祈願絵馬が多いな、そんなにここって有名なの?と思っていたら、どうやら近くにアニメの制作会社があるらしい。さっき新潮社があったし、そういった制作会社が近くに構えているのは自然だと納得。

 

 ブックカフェも多かったし久々に本でも読もうと思い、店内で本を探す。

kamomebooks.jp

  本の陳列に「男の愉しみ」「料理の真髄」など、一風変わったテーマを掲げたテプラが貼ってあったので、その列を確認してみた。

「男の愉しみ」には1列だけだったが、ラインナップに合ったのは、池波正太郎「男の作法」に「バックギャモン・ブック」。 

男の作法 (新潮文庫)

男の作法 (新潮文庫)

 

 

改訂新版 バックギャモン・ブック

改訂新版 バックギャモン・ブック

  • 作者: 望月正行,景山充人,桑門昌太郎,日本バックギャモン協会
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2017/04/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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 これはかなり信頼できるぞ!と胸を躍らせ本を探す。奥の方には漫画コーナーがあっったので、久々にイレギュラーな漫画でも買ってみるかと本棚を確認する。

少女漫画の定番ラインに、岡田あーみん「こいつら100%伝説」があった。  

こいつら100%伝説 (1) (りぼんマスコットコミックス (530))

こいつら100%伝説 (1) (りぼんマスコットコミックス (530))

 
こいつら100%伝説 全3巻 完結セット (りぼんマスコットコミックス)

こいつら100%伝説 全3巻 完結セット (りぼんマスコットコミックス)

 

  この本屋で本を選べば間違いないと確信した。

  カレー沢薫先生のを買おうかと思ったが、さすがに店内で大爆笑したら迷惑だろうから断念。藤子・F・不二雄のSFが気になったのと、「男の愉しみ」が信頼できるので1冊何か気になったものを読もうと決めた。

 

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藤子・F・不二雄「ドラえもん」「SF・異色短編」、トーマス・トウェイツ「ゼロからコースターを作ってみた結果」。

ドラえもん (むかし話編) (小学館コロコロ文庫)

ドラえもん (むかし話編) (小学館コロコロ文庫)

 

 

SF・異色短編 3 (藤子・F・不二雄大全集)

SF・異色短編 3 (藤子・F・不二雄大全集)

 

  

ゼロからトースターを作ってみた結果 (新潮文庫)

ゼロからトースターを作ってみた結果 (新潮文庫)

 

それとiPad Kindleで読みかけだった佐藤優「読書の技法」。 

 

読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門

読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門

 

   ゼロからトースターは、語り口がブログの文体に近くなっていて(「あれ?詰んでね?」とか「何それこわい」とか)、これは訳者の村井理子氏がこの本のコンテキストを正確に理解しているからこそ出来た訳だと思う。読後の感想としては、いつも薄っすらと感じている「現代社会じゃなかったら自分は何も出来ずに死んでるだろうな」という感覚を強化するものだった。鉄やニッケル・プラスチックなどの製造業は当たり前のように存在しているけど、特に重厚長大産業は一度破壊されたら復旧は困難だろう。自分たちの社会は案外危ういバランスの上に成り立っている。

 

 佐藤優氏の本は、以前も似た本を読んだけど「高校の基礎訓練をしっかりすべし」というのはその通りなのだろう。勉強法や参考書籍を並べていたが、数年たった今はスタディサプリなどのような環境も整っているので、やる気に慣れば学習環境は比較的整えやすくなっている。もちろん、どのようにモチベーションや習慣を維持するのか、という課題は残るのだけど。*1

 

  本屋で本棚を眺めていると、これだけ本があるのに1%も知らないのかと打ちのめされるような気分になることがあって、今日も似た感覚に襲われたのだけど、なぜか

「いや、しょうがねえだろ」

 と開き直ることができた。どういう心境の変化かはわからない。言えることは、これで少し心の澱みが沈殿していた状態からふわりと浮かび上がったこと、本を読むのが改めて楽しいと思ったこと、読書した経験が本当に血肉になっているかどうはか改めて検証しないとと感じたこと、そんなところ。

 ふと、こういう時普通の人々はどうしているんだろう、と思った。親しい人を呼び出してお茶しながら話したりしてるんだろうか。あまり1人で何かして解決策を探ったりはしないのか、そもそも心に澱は溜まらないのだろうか。「澱」としか表現できなくて、どう書き表したらいいのかわからないのだけど、悪意のような闇でもなく、焦りのような活動を促すような感じとも違う、ただ沈殿している状態の心。

  

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  神楽坂から飯田橋へ歩いてみた。橋の専門店や川辺のカフェなど、ここにも面白い店があった。面白い専門店がある街は好きだ。

 

  神楽坂は龍朋しか知らなかったけど、気候が穏やかになるととても歩いて楽しい街になると確信した。少し頑張って歩いて神保町へ抜けるのも面白そうだ。春になったら歩こう。

 

 そろそろ日が暮れてきた。夕飯の時間だ。

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 どうしても龍朋の回鍋肉が気になってしまった。

 期待通り美味しかった。キャベツが美味しい。肉はもう少し柔らかめのほうが嬉しいけど、十分行ける。ご飯が進みすぎるので小ライスでは物足りないと感じてしまった。でも我慢する。

 

 またしばらくしたら澱が沈殿してくるのだろう。その時はまた街を歩く。今度はどこの知らない街を歩こうか。

*1:地理を勉強しているけど、止まってしまってるな……