今日も知らない街を歩く

雑記に近い形でちまちま書いていきます。

検察庁法改正案でTwitterが揺れた

#検察庁法改正案に反対します というハッシュタグがすごい勢いで流れてきた。トレンドを見たら100万件を超えており、何事かと思った。

note.com

  5月10日の時点で、瞬間ツイート数が200万を超えていた。上記は、当該ハッシュタグがあまりにバズりスパム疑惑が出てきたので、実際に調査された方の記事。調査結果としては、スパムによる水増しは誤差レベルで、普通のアカウントがツイートしていることが判明していて、この問題の関心の大きさがうかがえる。 

 

  僕がこの問題について詳細を最初に知ったのは、NHKのこの記事。

www3.nhk.or.jp

   NHK社会部が顔出しで記事を書いていることに驚いた。問題点と主張がよくまとまっており、問題点がよくわかった。

  一方で「国家公務員の定年引き上げに合わせているだけ」など、改正案に反対する立場を諌める言説も流れてきた。そこで、実際に法律や改正案を読んで紐解こうと試みたが、不慣れな上に前提知識が欠けており、論点を探るのに四苦八苦し、諦めてしまった。 

elaws.e-gov.go.jp

 現行の検察庁法はこちらで参照可能。ここから参照できる。

 第二十二条 検事総長は、年齢が六十五年に達した時に、その他の検察官は年齢が六十三年に達した時に退官する。

   たったこれだけの条文を改正するのに、ここまで大騒ぎになるというのも考えてみたら不思議な話である。映画の題材になりそうだという感想。 

 

  そして日が経ち、検察庁法改正案について、改正案や反対意見を精査しながら、論点・FAQを専門家の立場から解説する記事が出てきた。

note.com

blog.livedoor.jp

  どちらも現職の法律の専門家による記事で、読みやすく大変ありがたい記事である。

  一番の論点で問題点(と僕が理解した内容)は、去年の秋に提出された「国家公務員の定年の延長にあたって、検察についても同様の対応を行う」という趣旨だったはずの改正案が、なぜか今年1月に大幅に内容が変更されたことである。

確かに検察庁法改正に関わらず、黒川検事長の定年は延長され(2020年2月)、その後に検事総長に就任すると思われます(2020年7月)。しかし、黒川検事長の定年延長はその根拠がないため「違法」です。この「違法性」を事後的に正当化するために改正法が成立するものです。(東京法律事務局blog より)

   黒川検事長の定年を正当化するための改正であることは間違いない(少なくとも、それ以外にわざわざ改正する理由が見当たらない上、改正する理由の説明も無い)。

  「三権分立の崩壊」「安倍晋三の逮捕をさせないため」という推測はもちろんできるし、それを疑いたくもなるが、憶測の域を出ない。その上で、 

www.nichibenren.or.jp

「筋が通った説明ができないなら検察は死んだも同然だ」
「人事による事実上の“指揮権発動”だ」
これは東京高等検察庁の検事長の定年延長をめぐる現職の検察幹部のことばです。 (NHK NEWS WEB サイトより)

  日弁連、さらには当の検察庁からこういった批判・反対声明が出てくる事を考えても、本改正案を強行採決してまで通すべきか甚だ疑問ではある。少なくともこの法改正案について、賛成する気にはなれない。

 

みんなが熱くなる政治の話

 ファン同士が争うから削除したと述べているのが切ない。

 

 
  自分自身は、この法改正には反対である。しかし、それを現政権への賛成あるいは反対だの、政治のことを理解している・理解していない、勉強している・していない、下手したらこの泡沫ブログにも、こういったコメントが付く可能性がある。政治に関しては、熱くなって攻撃をしてきたり、あるいは政治に関する言及をダサいと揶揄されたりでうんざりして、距離を取る人は少なくない。

  極端な話しか見えないのはどうしてなんだろう。観測範囲が狭いのだろうか。この手の話が、宗教となんだか似ている。熱心に入信して信仰をし、親族や友人を勧誘をしたり、そういったことを活動を毛嫌いして無宗教と公言したり。

  「初対面の人と政治と宗教の話はするな」という言葉があるけど、反対陣営だと烈火の如く怒り狂うツボはどこにあるのだろう。考えてみれば不思議である。好きな食べ物で喧嘩になる事は、せいぜいきのこたけのこ論争や、大阪焼き広島焼の話ぐらいで、ネットミームののネタになる位のレベルだと思うのだけど*1、政治・宗教の話になると途端に生々しさが出てしまう。表面上は毛嫌いしていてっも、政治や宗教というのは、自分の生きている地盤に関連していると無意識に感じているんだろうか。

 

*1:まあ、食事の好みで喧嘩したり離婚したりという事例はあるけど…。