少し前に、@rami2929 さんが、「手書きの履歴書爆発しろ!」というツイートをされていました。応募者への負担が高いためというのが主な理由ですが、全くその通りだと僕も思います。というわけで、感じたことを書いてみます。
僕は手書き反対派
僕は字が汚いから手書きだと不利、という極めて私的な理由ですが、手書き履歴書反対です。しかも修正液の使用不可、というのが全く意味が分かりませんでした。就職活動の時も、ちょっと書き損じただけで履歴書を廃棄しなきゃいけないというのは、あまりにもったいないと思いました。大体、実際の仕事はPC使うし手書きで何か書くことなんてないだろ、なんだよ「字を見ればそいつがどういう人かわかる」って……。とまあ、不満はかなりありました。
手書き履歴書が有効な業界
ただ、手書きの履歴書を必要とする、もしくはそっちの方がいい業界もあることに気付きました。それは、ホテル・ウエディング・アパレル業界。理由は、手書きで文書を書く場合があるからです。
これらの業界では、顧客への御礼や催し物などの各種案内について、手書きでメッセージを書いて送ることがあります。事実、僕が結婚式場の下見に行ったところ、ホテルの担当者から「先日はお越しいただきありがとうございました」という手書きの御礼状がきました。そういった事が業務上必要なので、「字がきれいかどうか」「面倒くさがらずにきちんと書けるか」という評価をするために手書きの履歴書を求める、というのは筋が通っています。
手書き賛成派の主張
これらの業界では手書きの履歴書を出させることで、応募者の「業務をきちんと遂行できる能力があるか」を見ようとしています*1。では、それ以外の場合はどうでしょうか。
「ラブレターと同じで、手書きの方がもらう方が嬉しい」「効率ばかりでなく、感覚的なことも必要」など。これからは@rami2929 さんのツイートに関するリプライですが、もらう側の立場の主張としても無理があります。前者は、もし応募が殺到したらいちいち嬉しいとか思わなくなりますし、汚い字のものはそれだけでマイナス評価を受けます。職務に関係の無いところで。後者は、ではどのように感覚的なことが必要なのか説明がないと主張は通らないでしょう。それこそ、前述のホテル・ウエディング業界のように、きちんと職務に必要だと示せるぐらいに。
万能ナイフは見つけられない
一応念のために書いておくと「手書き」をすべて否定したいわけではないです。父から「遺言だと思って聞いてくれ。お前は字が汚すぎる、書道をやれ。」とまで言われ、しぶしぶ字の練習を始めたり*2、映像などで手書きの文字を見て少し温かい気持ちになったりと、手書きの字の威力というのは、確かにあります。でも、それを履歴書に強要するのは、どうしても納得できません。
結局のところ、職務に必要な能力は何か、どんな人材が欲しいのかが明確になっていないんじゃないかな、と。「人格に優れている人」、そんなの、どこの業界のどこの会社だって欲しいでしょう。そこからのブレイクダウンができておらず、万能ナイフを求める姿勢が、手書き履歴書を求めるという行為に繋がっている。そんなことを感じしまた。
しかし、こんな話ができたのも、ある意味平和だったからこそだなあとつくづく思います。そんな平和を取り戻すために、「東北関東大震災」支援クリック募金をご覧いただければ幸いです。
執筆時間:45分