今日も知らない街を歩く

雑記に近い形でちまちま書いていきます。

2020/4/14 コーヒートークという静かな名作ゲーム

コーヒートーク、クリア。

Coffee Talk - Switch

Coffee Talk - Switch

  • 発売日: 2020/01/30
  • メディア: Video Game
 

 

『コーヒートーク』は、訪れる人々との会話を楽しみ、彼らの人生をかえるきっかけとなる、1杯のあたたかいコーヒーを提供する癒やしのゲームです。あなたの店に訪れる多種多様な事情をもつ登場人物に様々な食材を試したり飲み物を提供して、彼らの持つ物語に耳を傾けてみましょう。

  たまたまファミ通で紹介されてて、評判も良く、1600円と安価なこともあり購入したゲーム。

  ゲームの内容としては非常にシンプル。自分はカフェのマスターで、来店する客の注文にあった飲み物を出すだけ。カフェラテと注文されたら、コーヒーやミルクなどの材料を選択して、できた飲み物を出す。材料のブレンドによっては「抹茶ラテ」のように固有の名称ができることもあるけど、基本的にやることこれだけ。あとは登場人物たちの会話を読むノベルゲー。

 

  舞台となるのは未来のシアトル。サキュバス・人狼・吸血鬼などの異種族や宇宙人、そして人間が織りなす群像劇。異種族や宇宙人が出てくる、といっても、彼らはカフェに来て飲み物を飲み、悩みや将来のことを語るだけ。

  悩みの内容も

  • 親が結婚を認めてくれない
  • 小説が書き上がらない
  • 娘との距離感がうまくつかめない

など、現実世界で人間が悩んでいるような話ばかり。しかしだからこそ、悩みの本質が浮かび上がり、彼らが悩み、時には破局の危機を迎えながら過ごす姿に感情移入がしやすくなっている。

  接客業は基本的には苦手でやりたくないけど、このゲームをプレイして、一度カフェのマスターになってみたい、と思ってしまう位である(もちろん実際のカフェはこんなきれいに話は展開しないし、数倍は面倒なこと頭を抱えることが多いのだけど)。

 

 

Coffee Talk (Original Soundtrack)

Coffee Talk (Original Soundtrack)

  • 発売日: 2020/01/29
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

  コーヒートークはBGMが最高である。ゲームクリア後、我慢できずに購入してしまった(もちろんこの記事を書いている今もスピーカーから流れている)。サントラの代金とゲーム本編の代金がほぼ同じだが、正直納得してしまう。ゲームをクリアした後は、自分ででコーヒーや紅茶など温かい飲み物を淹れ、このサントラを聴きながら音楽を流し、本を読んだりモノを書いたり喋ったり。

  本サントラは、コーヒートークの世界を現実世界へと延長できるアイテムである。

 

  最近はZoomを使ったオンライン飲み会で盛り上がることが多いけど、コーヒートークのように、ノンアルコールの温かい飲み物を用意して、思い思いに話すと言う場があったらとても楽しいだろうなと思う。もっとも、誰かが話すとその声は必ず聞こえてしまうため、必然的に全員で話さざるを得ないのがZOOMの課題だけど。ブレイクアウトセッションを使えばできたりするんだろうか。

  少し試してはみたいと思うが、どれぐらいの需要はあるのだろう。コーヒートークのファンの方なら乗ってくれたりするんだろうか。

 

以下、ネタバレを含むため、できればプレイ後に読んでほしいです。

 

 

 

 

 

 

  エンディングは、人間と変わらない格好をしたニールがバリスタ(主人公)と話す場面で終わります。 このことで、人間の姿をした人物がニールと同じ宇宙人だということが暗示されます。

  ポイントは「ニールを初めて見た登場人物は一様にびっくりしていたけど、店でバリスタ(主人公)とはなんの疑問もなく話している」ことです。つまり、主人公は少なくとも驚かれない外見をして、普通の会話の返しをしていたことになります。

  ニールは地球の女性と交配をしたいと望み、フレイヤらに必死でどういうことなのか尋ねました。そしてその結果、「驚かれない外見」を手に入れました。きっと、「普通の会話」もできるようになったのでしょう。

 

主人公が抱えていた困難 

  ここからは想像です。

  では、バリスタ(主人公)はどうやって「驚かれない外見」と「普通の会見」というスキルを手に入れたのでしょうか。多分、ニールと同じだったんじゃないかと想像しています。ニールと同じように必死に他の人に尋ねながら、ときには冷たくあしらわれたこともあるでしょう。そんな泥臭い困難を抱えながら、バリスタ(主人公)はスキルを会得していきました。

  このゲームは、登場人物を異種族にしていることで、シチュエーションを現実世界の人間に置き換えることを容易にしています。外見やしぐさなどの理由から奇異な目で見られる宇宙人が、地球に馴染もうとして、驚かない外見や普通の会話を手に入れる。これ、例えば発達障害を持っている人が、必死で表情などを直して、会話など他人に対する応対・ソーシャルスキルを身に付けて、普通の人らしく振る舞っている様だとしたら。

  実際に普通の人に見える人がいたとしても、そこに至るまでは、様々な困難を抱えていたと言う事はおそらく珍しくは無いのでしょう。そう思います。

 

 

   コーヒートークは温かい飲み物を飲みながら話をするゲームです。ニールのように風習が全く違いすぎる人にはすり合わせを行い、突然人狼となってしまったガラには、ガラ・ハッドを飲ませて落ち着かせます。ガラ自身も予めバリスタに「飲み物を作ってくれないか」と頼んでいたのが象徴的です。

  予め備えて助けを求めておけば、助けてもらえるということです。コーピングができれば、異種族となんとか話ができるのです。

 

  もし自分がある種の困難を抱えていたり、誰か別の人が困難を抱えているんだとしたら。そういう人たちには、とりあえず温かい飲み物を出して話を聞く、あるいは自分の話をする。そこから少しずつ始めれば良いのかもしれません。そんなことを思いました。

 

 

  今日書きたかったことは、そんなところです。